まーたるのショートストーリー第五弾ヽ(*´∀`)
お楽しみいただけたら幸いです(*´꒳`*)
『ミッドナイトカフェ・WHEEL of FORTUNEへようこそ』
episode5 「カフェ・ラ・オランジュ」
「ありがとうございました」
にこやかに客を見送った凛子はテーブルの上のカップを下げながら、カウンターの隅に置かれたままのヴァイオリンケースに目をやった。
プロヴァイオリニストとして活躍している明日香が持ってきたのは今から1ヶ月ほど前のことだ。
かつては自分の命にも等しく、渾身の想いを乗せてその音色を紡いでいた凛子のヴァイオリン。
自室でヴァイオリンと対峙する勇気がなくて、ずっと店のカウンターの隅にオブジェのように置かれている。
ーー明日香が見たら叱られるわね……。
もし明日香が置かれたまま放置されているヴァイオリンを見たら、おそらく烈火の如く怒り狂うだろうなと思い、ふっと笑みをこぼした。
ーーこんなところに放置していいヴァイオリンじゃないでしょう!!
あなたって子は、本当に馬鹿なんだから!!
辛辣な口調で咎めるだろう明日香を想像し、怖い怖いと肩をすくめてカップを洗い始めるとドアがそっと開き遠慮がちに客が顔を覗かせた。
「いらっしゃいませ」
凛子が笑みを含んだ声で言うと、その客はおずおずとカウンターに近づいた。
「凛子さん、ですよね?」
ふわふわの髪を無造作にまとめて、白いシャツにジーンズというシンプルすぎるほどの格好がいかにもこなれて見える女性客に、いきなり名前を呼ばれた凛子は少し目を丸くした。
「唐突にごめんなさい、私、遠藤あかりといいます。
恭ちゃんにこちらのお店を教えてもらって」
「恭ちゃん?」
「はい、恭平くん。ここの常連だって言って、オーナーがめちゃくちゃ美人でめちゃくちゃコーヒーがおいしいから絶対行ってみろって」
今どきのやんちゃな大学生だが繊細さも時折顔を見せる恭平の、屈託のない爽やかな笑顔を思い浮かべて凛子はクスクス笑った。
「恭平くんはお元気?」
「はい、元気すぎるほどです」
「そう。ようこそ。来てくださってありがとう」
どうぞ、と凛子はあかりに熱いおしぼりを手渡した。
受け取りながらあかりはじっと凛子の顔をみつめ、まさかね、と小さく呟いた。
「どうかしました?」
「あっ、いいえ!」
あかりは慌てたようにコーヒーを頼み、グラスの水をぐいっと一口飲むと店内をゆっくりと見渡した。
ヴァイオリンの音色が流れる店内はオレンジ色の光があたたかで、そこここに飾られてあるオブジェはアンティークだろうか、店内の落ち着いた雰囲気にどれもマッチしている。
ところどころにある観葉植物の緑が鮮やかで、一昔前の海外のバーを彷彿とさせる酒の瓶が並ぶ棚の横には、車輪のような絵が存在感をこれでもかと放っていた。
ーーなんて鮮やかな色……。
絵自体も素晴らしいがその繊細な、それでいて大胆な色使いにあかりは思わず見入ってしまった。
恭平の言う通り『ノスタルジックな隠れ家』のようなカフェだと思い、恭平にしては言い得て妙な表現だと息をつく。
カウンターの奥でカップにコーヒーを注ぐ『凛子さん』は恭平にとってどうやら特別な人らしかった。
恋とか愛とかではない、人としての愛情を凛子さんにはすごく感じるんだと言っていた。
艶やかな黒髪のショートヘア、切れ長の瞳、髪に見え隠れして輝くピアスの光が、いかにも洗練された大人の女性を感じさせる。
細く長い指、形の良い爪にはマニキュアが似合いそうであるのに、何もつけていないのが返って目を引いた。
「そんなにみつめられたら穴が開いてしまいそうだわ」
コーヒーカップと小さな焼き菓子の乗った銀の小皿を置いて、凛子は微笑みながら言った。
「……すみません。
恭ちゃんが言ってた通り、とても素敵な方だなってつい見惚れてしまいました」
すまなさそうに言うあかりに凛子はちょっと驚いたように、でも嬉しそうに、
「恭平くんがそんなに褒めていてくれたなんて嬉しいわ。
褒め言葉は遠慮なく受け取る主義なの。
どうもありがとう」
ゆったりと微笑む凛子はまるで聖母マリアのようだとあかりは思った。
全てを包み込む無償の愛を感じてしまうほどやわらかで、でもどこか儚いような気がした。
「私、恭ちゃんのいとこで音大の三年生です」
「そう。専攻は何を?」
「ピアノです。夢はピアニストとして世界を飛びまわりたいんです。
いろんな演奏家と音を奏でたい……。
だけど私には世界で通用する技術も表現力も乏しくて」
思ったような音を出すことができないもどかしさで、ピアノに向かっていてもただ焦りばかりが募り、あかりは自分の音にすっかり自信をなくしてしまっていた。
周りの学生の音色とつい比べてしまったり、自分の音はいったいどんな音だったんだろう、どうしたら心から納得できる音を奏でることができるのだろうと、あかりはこの先自分がどう進んだらいいのかわからなくなっていた。
自分は音楽の神様に好かれてはいない。
努力しても天賦の才を持つ者には所詮勝れるわけがないのだ。
あかりが深い沼にはまってもがいていたとき、恭平がこの店を教えてくれた。
ーーおまえの『運命の輪』も、きっと動き出すよ。
そう言った恭平の瞳は穏やかで優しかった。
「この絵、すごく素敵ですね。
なんだか吸い込まれてしまいそう……」
あかりの言葉に凛子は視線を絵の方に向けた。
堂々とした『運命の輪』が額の中で今にも動き出しそうに見える。
「この絵はタロットカードの中にある『運命の輪』というものよ。
発見、大きな節目、転換期、幸福、サイクルといった意味があるカードなの」
「すごくポジティブなカードなんですね。
車輪のようだけど、よく見るとホロスコープの輪だなんて、すごく神秘的……。
でもこんな大きな輪を動かす力、私にはないみたい……」
力のない笑顔で絵をみつめるあかりの視線は頼りなく揺れ動き、言葉もなくコーヒーを啜った。
ーー『運命の輪』はきっと動き出す。
掴み所のないどこか浮ついた感じの恭平が珍しく真顔で言ったことに少なからず驚いて、こうして来てみたあかりだったが、
ーーたしかにコーヒーもお菓子もおいしくて、凛子さんは美人で絵も素敵だけど……。
『運命の輪』を動かす力も、恭平が感じたという人生観が変わるほどのことも自分にはないように思えて、コーヒーを飲んだら帰ろうとあかりは思った。
まだ20時を少し過ぎたばかり、今から帰ればピアノに向かう時間は十分に取れる。
弾こう。
弾かなければ。
防音壁のしっかりした音大生限定のアパートの自分の部屋にあるピアノを思い浮かべたとき、何気なく視線がカウンターの端へと吸い寄せられていった。
ーーヴァイオリンケース……?
カウンターの端にまるでオブジェのように置かれてあるヴァイオリンケース。
「凛子さん、ヴァイオリンを弾かれるんですか?」
カウンターの奥でワインを飲んでいた凛子がゆっくりと顔を上げた。
「ヴァイオリンケースがあるから……」
感情が消えたような凛子の表情に少し怯みながらあかりが呟くのに、
「昔、少しね」
グラスの中のワインをすいすいと飲みながら、凛子はほんの少し微笑んだ。
その哀しそうな微笑みにあかりはなんとなく罪悪感を覚えたが、そのとき初めて凛子を見たときに感じた違和感が再び湧き上がってきて、ハッと凛子の顔をみつめた。
ーーもしかして……。
絶えず店内に流れるヴァイオリンの音色、置かれたまま開かれてもいなさそうなヴァイオリンケース、哀しみに溢れた凛子の微笑み、何よりも自分はこの人を見たことがある……。
あかりが憧れてやまない世界の演奏家が載っている雑誌の中でーー。
「成島凛子さん……」
名前を呼ばれた凛子はどこかホッとしたように、まるで華のこぼれるような艶やかな笑みを浮かべた。
かつて舞台の上で天上の音色と呼ばれていた音を奏でていた、あの頃のように。
「久しぶりに名前を呼ばれたわ」
「どうしてこんなところにいるんですか……?」
あかりは信じられない面持ちで凛子に言った。
将来有望の若きヴァイオリニストとして、その並外れた技術と表現力が注目され始めていた成島凛子の姿が表舞台から忽然と消えたとき、音楽界ではちょっとした騒ぎになったものだった。
『天上の音色』とまで評される凛子の音は、あかりの心の奥底にある何かに触れてしまうほど美しくも儚いものだった。
あれから三年、まさかここでその凛子に会うなどと誰が思うだろう。
胸の鼓動が急激に速くなり、あかりは震える手で口元を覆った。
そしてカウンターの上のヴァイオリンケースを凝視して、
「凛子さん、ヴァイオリンケースの中のヴァイオリン、それって凛子さんがずっと弾かれていた……」
「そうよ。先月、明日香が届けてくれたの」
「明日香さん……?」
「ヴァイオリニストの阿南明日香よ。ご存知?」
「ええ⁉︎阿南明日香がここに来たんですか⁉︎
そのヴァイオリンを持って⁉︎」
「そうよ。明日香とはそうね……実の姉妹のようなものかしら」
世界的に活躍している阿南明日香と姉妹のように親しい間柄だなんてと、目を丸くして驚くあかりをおもしろそうにみつめながら、凛子はグラスにワインを注ぐ。
「凛子さん!そのヴァイオリン、こんなところに無防備に置いていいものじゃないですよ!」
店内に客がいないことを確認してもなお、用心するようにあかりは凛子の耳元で囁いた。
「ストラディバリウスをこんなに無造作に放置してるなんてあり得ない!」
17世紀、イタリアでストラディバリ父子三代によって製作された弦楽器で、ヴァイオリンは今や世界に520挺ほどしか現存しない。
演奏家の技術、表現力をあますことなく表してくれるのだが、そのかわり弾きこなすのはかなり難しいとされる名器なのだった。
しかし凛子とストラディバリウスの相性は良く、成島凛子の音はこのストラディバリウスによってさらに天上に近づいたと言われたほど艶やかに聴衆の心に響いたものだった。
「まるで明日香に叱られているみたいだわ」
クスクスと笑いながら凛子はヴァイオリンケースの蓋を開けた。
店内のオレンジ色の灯りを吸い込むように、ストラディバリウスが艶やかに輝く。
「すごい……」
初めて見る名器にあかりは息を飲んだ。
世界に名だたるストラディバリウスにも負けない凛子の才能が眩しくて羨ましく、そして妬ましく思った。
凛子ほどの才能を持っていれば、自分が今悩んでいることなどほんのちっぽけなことにすぎないだろう。
天才に努力は必要ないのだから。
「凛子さんはもうこのストラディバリウスを弾かないつもりなんですか?
凛子さんほどの才能のある人が、どうして?
私だったらどんなことがあっても弾き続けるわ。
努力しても自分の音すら満足に弾けない私には、凛子さんの気持ちはすごく贅沢なものに思えて理解できない……!」
将来を有望視されていた若きヴァイオリニストがいきなり表舞台から姿を消したのだ。
そこには相当な理由があるに違いなく、訊いてはならないことだと知りながら、あかりは妬みの気持ちを抑えきれずに凛子にその気持ちをぶつけてしまった。
凛子はストラディバリウスをみつめながら無言だった。
その様子を見て、あかりは初対面なのに核心中の核心に触れてしまったことの重大さを感じて背中に冷たいものが流れていった。
「凛子さん……。ごめんなさい!
凛子さんとは初対面なのに、それなのにすごく失礼なことを言ってしまって……!」
顔を赤くして俯くあかりに凛子は優しく微笑んだ。
「必要なくなったから」
「え……?」
「音を奏でる必要がなくなったからよ」
そう言って凛子は『運命の輪』が納まる額にそっと触れた。
「『運命の輪』は他人の力では絶対に動かないんだ。
自分の力でないと進んでいかないんだって。
自分の意思で自分の足で、未来に向かって輪を廻していくんだ。
だからこそその輪が廻ったときさ、言葉にならないくらいめちゃくちゃ感動するんだぜ!
生きてて良かったって思うくらいにね」
恭平の言葉が蘇り、しかし目の前の凛子のひどく切なそうな横顔は、凛子の『運命の輪』はひょっとしたら未来に向かってまだ廻っていないのかもしれないと思った。
ヴァイオリンを弾いていないことがそれを物語っているように思えて、凛子の心の中で想像もできないくらいの葛藤の嵐が吹き荒んでいるのではないかとあかりは思った。
これ以上凛子に訊ねるのも気が引けて口ごもったあかりに、今度は凛子が訊ねてきた。
「あなたは何のためにピアノを弾いているの?」
「何のために……?
プロのピアニストになりたいからです……」
「どうしてピアニストになりたいの?」
「自分の音を奏でたいから……。
自分が感じた音を響かせてみたい……。
でも私、自分の音がわからなくなってしまったんです。
私の音、どんな音色だったろうって……」
聖母マリアのような凛子の微笑みを前にして、あかりの声はだんだんか細くなっていく。
「私の一音一音は全てあの人に捧げた、あの人だけのための音だったの。
誰も入り込めない、あの人だけに奏でる音色……」
凛子の瞳は絵の中の輪を通り越して遥か遠くをみつめているようで、凛としたその口調からは、凛子の揺るがない想いが溢れてくるような気がした。
「あなたの音は他の誰でもない、あなたでしか見つけることはできないわ。
きっかけはベストなタイミングで訪れるものよ。
まっさらな心でピアノに向き合っていたら、あなたは自分の音を取り戻すことができる」
「まっさらな心……」
「初めて鍵盤に触れたときのような、ただ喜びに心が踊っていた頃を思い出すといいわ」
初めて見る鍵盤を前に胸の高鳴りを抑えきれずにいた子どもの頃。
ただピアノを弾くことが楽しくてたまらなかったあのとき、奏でられる音とともにその気持ちが溢れていたに違いない。
身体中で感じていた喜びに満ちた音。
ーーああ、そうだ……。私はピアノが好き!
あかりの中にふいに湧き上がった歓喜の音が、まるで目の前の『運命の輪』がゆっくりと廻り始めた音のように聞こえた。
「私、またあの頃の音を取り戻せるかな……。
私もこの『運命の輪』を廻したい……!」
ぽつりと呟くあかりの頬に一筋の涙がこぼれ落ちた。
凛子は棚からグリーンの葉があしらわれたカップを取り出した。
爽やかな風を感じさせるような美しいコーヒーカップに、コーヒーとオレンジキュラソーを静かに注ぐ。
薄くスライスしたオレンジを浮かべ、シナモンスティックを添えると、凛子はあかりの前にカップを置いた。
「カフェ・ラ・オランジュよ」
シナモンを浸すといいわ、と促され、あかりはオレンジの爽やかな香りが立ち昇るコーヒーをそっと口にした。
「わ……。おいしい……」
深みのあるコーヒーにオレンジの風味が爽やかに広がって、ピリッとしたシナモンがほどよいアクセントになっている。
「南仏のマルセイユ地方が発祥と言われているの。
南仏の爽やかな風が吹いてきそうな気がしない?」
凛子の言葉にあかりはそっと目を閉じた。
遠くマルセイユの風がオレンジの香りに乗って優しく吹いてくるようだ。
風はあかりの背中をそっと、しかし確実に押していた。
この風を感じた今ならば、きっと自分の音を取り戻すことができると思った。
ピアノが好きだという、ただそのシンプルな気持ちが何より大切だったのだと気がついた今ならば。
凛子が言ったきっかけのベストタイミングは、まさに今夜なのだ。
「凛子さん!」
カップを空にしてあかりは勢いよく立ち上がった。
「私、今なら絶対に取り戻せる!
自分の音も、誰よりもピアノを好きっていう自信も!」
晴れやかなあかりの笑顔は輝いて、凛子の目にひどく眩しく映った。
「カフェ・ラ・オランジュは私からのプレゼントよ」
「凛子さん、ありがとう。
私、今日ここに来て本当に良かった。
凛子さんのおかげで、本当にピアノに向き合えた気がする。
諦めないで前に進む勇気が湧いてきました」
あかりはそう言って視線をヴァイオリンケースに落とすと、
「凛子さん。
もし…もし凛子さんが凛子さんの音をまた奏でる日がきたら、そのときは絶対に、絶対に聴かせてくれる?」
凛子はあかりの力強い視線に捉えられ、声も出せずじっとみつめ返すことしかできないでいた。
「凛子さんも音を取り戻して。
その人ただ一人のためじゃなくて、その人を想う凛子さんの心のために天上の音色を響かせて」
あかりが出て行ったあと、凛子はしばらくぼうっとしたまま動けずにいた。
自分の音を取り戻すと言い切ったときのあかりは、凛子が羨むほど輝いていた。
その笑顔はヴァイオリンを弾くことが楽しくて楽しくてならなかった頃の自分を彷彿とさせるものだった。
自分の音を見失なっていたあかりは今夜、きっとその音を取り戻すだろう。
ーー音を見失なっているのは、きっと私の方……。
「その人ただ一人のためじゃなくて、その人を想う凛子さんの心のために天上の音色を響かせて」
あかりの言葉が静かに、しかし確実に深く凛子の心に突き刺さる。
ーー透を想う私の心のために……?
弾いてもいいの……?
凛子はケースからストラディバリウスを取り出した。
艶やかに光るヴァイオリンはあの頃のままの輝きを放ち、震える手で触れる凛子をまるで意気地なしと嘲っているように思えた。
震える指をそのままにゆっくりと構えてみると、驚くほどすんなりとストラディバリウスは凛子に馴染んでいく。
その懐かしい感覚は、今まで凛子の中で眠っていた何かを目覚めさせた。
凛子の中に眠るヴァイオリンへの純粋な情熱。
しかし目の前には透の分身である『運命の輪』が静かに凛子の前に立ちはだかり、その圧倒的な存在に気圧されるように凛子は力なく弓を下ろす。
ーー私はまだ、私の音を取り戻すことができない……。
透がいないこの世界で、本当に自分は再び音を奏でることができるのだろうかと凛子は思った。
自分の『運命の輪』はいつまで逆に廻り続けていくのだろうかとため息をこぼした。
今夜はストラディバリウスを抱きしめて眠りたい。
夢の中ならばあの頃のように自分を優しくみつめて愛の音色に耳を傾ける透を前に、思い切りストラディバリウスを掻き鳴らすことができる、そう思って凛子は静かに目を閉じた。
完
最後まで読んでくださりありがとうございます(*´꒳`*)